文庫だより玄武町余聞

節分

翌日は立春。新しい春が訪れます。

寒さ厳しい頃、邪気を祓います

立春の前日は「節分」です。旧暦では大晦日にも相当する大切な日で、豆まきなど様々な邪気払い行事が行われました。
冷泉家には、代々伝わるお供えの道具が伝わっています。

大しゃもじと大連木(おおれんぎ)


白紙を巻いて水引を懸け、ごまめ2尾と柊の枝を付けた大きなしゃもじと、注連縄(しめなわ)を巻いた大きな連木を、朱塗りの板足三宝に載せます。豆を煎る間、これを台所に置いておくのが慣わしです。

節分のお供え

宝船を刷った奉書の上に豆を載せ、歳徳神(としとくしん・その年の福徳をつかさどる神)に供えます。宝船の版木には、享保13年(1728)の銘があります。
節分の日には縁起の良い初夢が見られるように、宝船を刷った奉書を枕の下に引いて眠ります。

豆まきは、御文庫から始めます。

豆まきは、大事な場所から始めます。冷泉家では、当然御文庫からです。御文庫、御新文庫からスタートし、すべての部屋をまわって、最後に台所の土間に撒いて終了です。


この記事を書いた人

野村渚

学芸課長 第24代当主為任・布美子の次女久実子の次女。
この4月から勤務し始めたひよっ子。
子供の頃からの耳年増で、なんとか日々をしのいでいます。

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