秋風薫る
9月末日、東山の光明院(こうみょういん)で、俊成卿の遠忌法要を営みました。
光明院は、臨済宗の大本山、東福寺の塔頭です。
紅葉の時期には、名勝の通天橋を見るため多くの人が訪れます。
光明院のお庭は「虹の苔寺」の異名を持っています。
苔と砂の見事な調和を見せる主庭、「波心庭」は、昭和の作庭家・重森三玲の手になる枯山水庭園で、
東福寺方丈庭園とともに昭和十四年につくられました。
献詠法要会
東福寺僧職による読経が秋空に響くなか、順番にお焼香をします。
今年も多くの会員の皆様に御参席いただきました。
次に披講です。
今年の歌題は「望月」。
奇しくも、秋山会の前日は中秋の名月でした。
直会(なおらい)
法要の後は、皆でささやかな直会(なおらい)を行います。
今年の会場は、南禅寺順正。
回遊式庭園の先にある「涼庭閣」にて、湯豆腐に舌鼓を打ちました。
直会のあとは、南禅寺の方丈を拝観しました。
美しい緑に秋風が吹き抜ける中、ゆっくりとした一日を過ごすことが出来ました。
冷泉家では年に2回、こうして会員が集まり、日本文化と和歌を愛する者同士、親睦を深めています。
この記事を書いた人
野村渚
学芸課長 第24代当主為任・布美子の次女久実子の次女。
専門は日本画と文化財保存修復。
子供の頃からの耳年増で、なんとか日々をしのいでいます。