文庫だより玄武町余聞

子どもたちのうた会      明日を担う、子どもたちへ

夏休み企画!

夏休み企画!

この夏、冷泉家時雨亭文庫が関係する、子ども向けの和歌イベントが開催されました。

「和歌・百人一首を楽しむ」と題した小学4年生~6年生を対象とした全4回の講座です。

主催は、明日の京都 文化遺産プラットフォームと、NPO法人 京都観光文化を考える会・都草です。

全4回のうち、2・3回目の講師として筆者が携わり、子どもたちにうた会を体験してもらいました。

募集のチラシ

まずは練習

まずは練習です。

子どもたちが各々に百人一首の中から1首、好きな歌を選び、短冊に書く練習をします。

選んだ歌を一人ずつ詠みあげていきましたが、皆、スラスラと詰まることなく詠んでくれました。大人顔負けですね。

先に鉛筆で練習をし、次に墨を擦って短冊に書きます。

決められた手順で墨を擦り、書式の通りに筆で短冊に書いていきます。学校の授業などで、太い大きな字を習ったことがある児童も、筆で細い字を書くことは初めての子がほとんど。

皆、四苦八苦しながら真剣に取り組んでくれました。

冷泉家邸内にて

冷泉家の座敷で、うた会の儀式を体験します。

場への入り方、座り方、墨の擦り方など、一つ一つきめられた所作があります。

皆、最初は場の雰囲気に緊張しているようでしたが、次第に落ち着き、質問も飛び交うような熱心さでした。

膝行(しっこう)で場に入る
重硯を配る
墨を擦る
短冊に書く 皆、真剣です

畳の上に座って、机もなしに紙を手で持って筆で書くのは、皆、初めての体験だっただろうと思います。でも、皆、夢中になって書いていました。

最後は、節に合わせて歌を詠みあげました。

詠みあげた歌は、百人一首第3番「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を 一人かも寝む (柿本人麻呂)」です。

歌はしっかりと声を出して、詠みあげるもの、全身で味わうものだとちょっとでも感じてくれたなら嬉しいですね。

この記事を書いた人

野村渚

学芸課長 第24代当主為任・布美子の次女久実子の次女。
ここでの勤務はまだ1年のひよっ子。
子供の頃からの耳年増で、なんとか日々をしのいでいます。

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