ひと夜かぎりの逢瀬に手向ける
旧暦の7月7日の夜、七夕の行事 乞巧奠を執り行いました。
今年は雨に見舞われることもなく、穏やかな儀式となりました。
ゲスト
乞巧奠の儀式へは、冷泉流和歌会の有志に御出演いただきます。
出演者以外の和歌会の方や、会員の方々は、毎年順番にご見学いただいております。
また、今年は特別ゲストとして、文化庁長官 都倉俊一様ご夫妻にお越しいただきました。
今年も80名ほどの観覧者にお入りいただきました。
新型ウイルスのまん延以降、ソーシャルディスタンスの確保の観点から、一度にお入りいただける人数が少なくなり、見学の順番をお待ちいただいている会員の皆様には申し訳ないことです。
まずは雅楽から
儀式は雅楽の演奏から始まります。
日が落ち始めた黄昏時、篳篥や琴、琵琶などの雅な音が響き渡ります。
今年の演奏はいちひめ雅楽会の皆さんです。
披講
演奏が終わり、あたりは夕闇につつまれました。
灯台を持った所役(しょやく)が場を整え、暗闇に灯りがともります。
次いで演者が入場、七夕の歌を二星に手向けます。
披講(ひこう)です。
今年の乞巧奠の兼題は「七夕川」。
星合いの夕べにやまと歌を朗詠します。
流れの座
白絹の天の川の対岸に牽牛と織女に扮した男女が座し、歌を取り交わす当座式です。
小さな紙に書かれた題を、一人ずつ取りに行き、その題に応じた歌を即興で詠みます。
静寂の中に、衣擦れの音と墨の香りが漂う優雅な夜となりました。
この記事を書いた人
野村渚
学芸課長 第24代当主為任・布美子の次女久実子の次女。
ここでの勤務はまだ1年のひよっ子。
子供の頃からの耳年増で、なんとか日々をしのいでいます。