あらたな動物事件勃発
立冬をすぎ、急に寒くなってきました。
冷泉家の紅葉も色づいています。
最近、冷泉家で、サンダルまたはスリッパが無くなるという事件が頻発しています。
冷泉家住宅は一般の住宅に比べると広く、廊下も長く、家人やスタッフが庭に出ることも多いので、スリッパや外履き用のサンダルが常備されているのですが、最近、いつのまにか、沓脱石の上のサンダルの数が減っている、外廊下のスリッパの片方だけが紛失するということが起こっています。
犬の九兵衛は、フェンスに囲まれた中にいます。
猫のにゃん紫は、おうち猫として暮らしているので、勝手に庭に出ることはありません。
いったい誰が!?
野良猫? いや、最近、猫たちは見かけません。
もしやカラスでは?
と、思っていたある日のこと、スタッフのひとりが裏庭で、イタチに遭遇しました。
一瞬、目が合いましたが、すぐに踵を返して逃げていったそうです。
犯人は、イタチかもしれません!
中庭を囲む廊下には、小動物の足跡が!
スリッパ発見
別の日、別のスタッフが、北の大蔵の建築現場の裏側で、サンダルの片方が落ちているのを見つけました。
元々置いてあった場所からは10メートル以上の距離があります。
もしかすると、他のスリッパやサンダルも、そのあたりに隠してあるのではないか。
建築現場の裏に行ってみることにしました。大工さんが足場にしている、畳一畳分ほどの大きさの板を持ち上げてみると!
板の下から、なんと、スリッパが3つも出てきました。
板と地面の間にはほとんど隙間がありませんので、
犯人は自らいったん板の下に潜り込み、スリッパを銜えて、中に引っ張り込んだに違いありません。
小さな体でスリッパを一生懸命に引きずり込んでいる様子を想像すると、健気にさえ思えるのですが、いったい何のために!?
家族のベッド?寒さ除け?もしやスリッパコレクター!?
サンダル収集家
「イタチ サンダル」で検索してみると、
全国で、同じような被害が多発していることがわかりました。
今年2023年の春には、NHKの「ダーウィンが来た!」でもスリッパを盗んで集めるイタチの習性が紹介されていたようです。
イタチやハクビシンなどは、文化財にとっては害獣です。
重要文化財冷泉家住宅がイタチの住処になっていたら、たいへんです。
新築中の北の大蔵の中に巣を作られても困ります。
そこで、イタチの好みと思われるスリッパの片方にGPSを仕込んでみました。
これを引っ張っていく先にイタチの家族が住んでいる巣が見つかるかもしれません。
しかし、GPSをスリッパに仕掛けた後、GPSの付いてないスリッパが無くなりました。
「あぶない、あぶない、これは、ヤバイやつや・・」と気づかれたのでしょうか。
これぞ、イタチごっこ?
ひとまずは、九兵衛に巡回してもらうことにしました。
トマコ
見渡せば花も紅葉も
なかりけり
浦の苫屋の秋の夕暮れ
藤原定家
定家卿の歌に、苫屋という言葉が出てきます。
四国では、イタチのことをトマコと呼ぶそうです。
苫に住んでいるからなのかどうかは定かではないのですが…。
冷泉家のトマコはいずこに?
つづく…(未定)
この記事を書いた人
余田由香利
事務局では、経理と会員事務を担当。
時々、にゃん紫にチュールをあげるのを楽しみとしています。