平安時代に思いを馳せて
藤原俊忠卿
平安時代後期の貴族、藤原俊忠(としただ)卿は冷泉家の遠い先祖にあたります。
歌聖 藤原俊成卿の実父にあたる人物で、やはり歌人として名前の残る人物です。藤原定家卿から見たら祖父、現在から数えると29代前の先祖になります。
俊忠卿は堀河天皇のもとで歌人として活躍し、『金葉和歌集(きんようわかしゅう)』などの勅撰集にも、歌が収録されています。
冷泉家には今も、俊忠卿の家集(個人の和歌をまとめたもの)、『中納言俊忠集』(重要文化財、冷泉家時雨亭文庫所蔵)が残されています。
俊忠卿が亡くなって900年の節目にあたる今年、大遠忌を執り行いました。
場所は、冷泉家の北側にある相国寺方丈。
導師含め7人の僧による読経の後、和歌の披講を行いました。
会員の皆様にも多くご参列いただき、華やかな法要となりました。
法要が華やか、と言うのは変に思われるかもしれませんが、900年もの昔の人の法要が出来ることはめったにない吉事であり、御祝い事です。
このような御祝いを、しかも直接の子孫が主催して執り行う例は他にほとんどありません。
これからも、950年、1000年と続けていけるようにと努力してまいります。
※法要の詳細は、冷泉家時雨亭文庫会報誌「志くれてい」次号にて報告いたします。会員のご案内はこちらから。
この記事を書いた人
野村渚
学芸課長 第24代当主為任・布美子の次女久実子の次女。
ここでの勤務はまだ1年のひよっ子。
子供の頃からの耳年増で、なんとか日々をしのいでいます。