文庫だより御所北さんぽ
〜事務局こぼれ話〜

にゃん紫ものがたり13

にゃん紫は完全なおうち猫として、庭に出ることもなく、深窓の令嬢猫として暮らすようになっていました。

「若君に会いに行こう!」

博多の若君こと飛梅太は、大久保さんの献身的な看護のおかげで、どんどん元気になっていきました。

3匹いる先住の猫店員のうちモジャ新店長に可愛がられ、少しずつ丁稚としての奉公も始まったとのこと。

モジャ店長と丁稚飛梅太
撮影:大久保さん

目の手術が成功し、体重もぐんぐん増えてきているようです。 猫病院の先生からも、もう大丈夫ですよとのお墨付きをいただきました。

私たちは、貴実子が大分で講演する予定があることを知り、それなら一緒に「若君に会いに行こう!」と、乳母一同での博多への旅を企画し、本当にその秋に実行に移したのでした。

貴実子と飛梅太との再会

そして、飛梅太は、新潮文庫『吾輩も猫である』で原田マハさんによる短編「飛梅」で小説デビューを果たしました。https://wagahaido.com/shopping/21981

手術

冷泉家では、光を捕まえて、去勢する作戦が始まりました。

この前、捕まったネズミ捕り用の同じ檻に、同じソーセージの餌で、またあっさりと光は捕まりました。

どうして捕まえられたのかわからないままに、光は大人しく籠の中で過ごし、翌日、動物病院で無事に去勢手術を受け、耳には、チョキンと去勢した猫の印を入れてもらいました。

左耳にチョキンと印の入った光deにゃん

その後、にゃん紫の避妊手術も行いました。これで、にゃん紫は、妊娠する恐れはなくなりました。でも、いつの間にか、庭に通じる猫用のドアは撤去され、にゃん紫は完全なおうち猫として、庭に出ることもなく、深窓の令嬢猫として暮らすようになっていました。

にゃん紫は、いつもガラス越しに、庭のちょうちょや虫を見つめています。

一度、光が、縁側にやってきて、にゃん紫とガラス越しに見つめ合ったことがありました。その時のにゃん紫のびっくりしたような表情をよく覚えています。

離れ離れになったふたりは、もう二度と結ばれることはありませんでした。

つづく


この記事を書いた人

余田由香利

事務局では、経理と会員事務を担当。
時々、にゃん紫にチュールをあげるのを楽しみとしています。

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