北の大蔵に使う土は、国内最高峰と称される「聚楽土」。土壁に適した高価な土で、現代では稀少になっています。伏見地域の山を切り崩して、天然の聚楽土を採取します。
聚楽土に混ぜ合わせるのは切り刻んだ藁。土と藁と水を混ぜて数週間寝かせると発酵し、藁の繊維質が土となじんで粘りのある土になります。この土が乾くと、コンクリートのように硬くて強い壁になります。
大量の聚楽土と藁をユンボで撹拌していきます。
下地塗りには荒い土を使います。中塗り〜上塗りと壁の表面に徐々に近づくにつれ、混ぜ合わせる藁を細かくしていきます。
出来上がった下地用の土は、トラックに積まれて伏見から冷泉家へ。土壁づくりの初期は、大量の土を使うため、1日に何度もトラックで運び込みます。
運び込まれた土を壁に塗る前に、左官職人が土に混じった石を取り除き、水分の調整を行います。